あなたは会社で確定拠出年金に加入していますか?
あるいは、自分でiDeCoをやっていますか?

始めるきっかけは、何だったでしょうか?まだ始めていないとしたら、始めていない理由ってありますか?

今回から3回シリーズで、私自身が確定拠出年金を始めた時のお話をしようと思います。

ファイナンシャルプランナーになろうと思ったきっかけの一つでもあり、自己紹介を兼ねたお話ですので、よろしかったら最後までおつきあいください。

確定拠出年金 401kってなんだ?

私が最初に「確定拠出年金」の存在を知ったのは、2000年のこと。

当時損害保険会社に勤めていたのですが、同僚の営業職員が「いよいよ401k販売開始だっ!」と興奮気味に叫んだのを耳にしました。

机に放った資料の表紙を見ると、

「確定拠出年金(401kプラン)」などと書かれています。

私は「保険じゃないんだ?漢字がたくさんで難しそう。知らない世界が始まるのかしら?21世紀だし。」

と、新しい世界の予感に少しソワソワしながらも、その年の9月に寿退社が決まっていたので、自分には関係ないかとそのまま忘れました。

新しいキャリアのスタート。貯金しよう!

寿退社をしてしばらくは専業主婦として子育てに専念する日々でしたが、あるとき再就職が決まりました。約10年ぶりの社会復帰です。

知力・体力ともに、社会についていけるかとても心配であり、同時にやる気に満ちあふれていました。

再就職した会社の入社手続き書類の中に、確定拠出年金の申込書を発見しました。

「確定拠出年金」との再会です。

「あ。あれじゃん。」

加入が任意なのは理解していたので、しばらく悩みます。

だって、何だかよくわかりませんでしたから。

しかし、せっかくの再就職です。頑張って貯金しよう!と思いますよね。意を決して申込書を書きました。

そう、当時私は、確定拠出年金は貯金だと思っていました。財形貯蓄のようなものだと思っていたので、申し込みをすれば、何かが自動で始まるんだと思っていたのです。

スターターキットが届いた。貯金と違うの⁈

数週間後だったでしょうか、証券会社から分厚い封書が届きました。「確定拠出年金スターターキット」と書いてあります。

中身を見ると「運用の世界へようこそ」「確定拠出年金制度のご案内」「運用商品のご案内」などと書かれた小冊子が何冊も入っています。

鈍い私も、ここでようやく確定拠出年金とは、どうやら自分で運用商品を決めるらしいと気がつきました。

しかし気がついたものの、当時の私は10年ぶりの社会復帰、見知らぬ土地に引っ越してやっと1年、10歳・8歳・2歳の3人の子どものワンオペ育児の三重苦?で、初めてのお金の世界の話を冊子を読んで理解する余裕などありません。

会社も大企業なので本社の部署も多く、入社したばかりでどこに問合わせしてよいのかもわかりませんし、周囲に知っている人もいませんでした。

かくして、何もわからず、運用先どころか自分が追加で拠出する金額さえ決められないうちに時間切れ。毎月会社拠出の3000円が、運用指図をしなかった場合に自動で決定される元本確保型の傷害保険に回されていきました。

この先私は最初に思った通り、「貯金」をしていくのです。

しかも月3000円だけ。

もちろん会社から、給料の他に月に3000円もいただいているのですから、これはとてもありがたいことです。しかしその制度の意味も仕組みもわからずに、ただ貯金していたのは、今思うと大きな時間の浪費になってしまっていました。

「なんとかしないといけないんだろうな」

と思いつつも、どうしていいのかわからずに、このまま私は退職へと向かいます。

次回は、分からないことだらけの確定拠出年金の移換手続きについてお話します。