一言で「保険に入る」というと、誰がどんな保険に入ることを想像しますか?
テレビCMでよく見かけるような「入院や手術をしたとき」の医療保険でしょうか?
昔からよく言われている「一家の大黒柱であるお父さんが、万が一亡くなってしまったら、家族の暮らしはどうなるの?」という時のお父さんの死亡保障〇千万円、というものでしょうか?
今回は死亡保障について、あるご一家のお話を紹介します。
単身赴任になってしまったSさん
Sさんは大企業の会社員で、専業主婦の奥さん、お子さん二人との4人家族です。
Sさんは、念願だったマイホームを購入しました。35年の長いローン生活ですが、一家はとても幸せです。
ところがある年の春、Sさんは会社から転勤を命じられてしまいました。
自宅からはとても通えないような、遠くの地方都市です。Sさんは寂しく思いましたが、仕方ありません。
単身赴任をすることに決めました。
Sさんの奥さんは、今まで専業主婦でお子さんの面倒を見てきましたが、Sさんが単身赴任で別に暮らすようになったので、出費が増えてしまったことが悩みとなりました。
会社から単身赴任手当が支給されるものの、二か所での生活を支えるには足りません。
奥さんは子どもたちが学校へ行っている間、パートを始めることにしました。
生活が一変し、慌ただしくなってしまったSさんご一家
奥さんは「これでお父さんに万が一のことがあったら、うちはどうなってしまうのだろう・・」という想いが、頭をよぎります。
一般に言われているとおり、大黒柱であるお父さんの死亡保障の保険に入っていれば、Sさん一家の万が一の保障は、安心なのでしょうか?
Sさんは、大企業にお勤めの会社員です。
Sさんが万が一亡くなってしまった場合、国からの遺族年金が、基礎年金と厚生年金の両方から支給されます。
会社から死亡退職金が支払われる可能性もあります。
そして、ローンを組んだ時に団体信用生命保険に加入していれば、家のローンの残債がそこから支払われます。
奥さんの収入や、家庭の支出とのバランスによりますが、もしかするとSさんに大きな死亡保障は必要ないかもしれません。
もし万が一奥さんの方が亡くなってしまったら?
一方、Sさんの奥さんが万が一亡くなってしまったら、どうなるでしょう?
Sさん一家の収入を支えている割合は小さいから、死亡保障も必要ないでしょうか?
まず、奥さんが亡くなった場合、一家の生活はどうなるでしょうか。
購入したマイホームは、売却するか他人に貸すなどして、子どもを赴任先に呼んで暮らすでしょうか?
子どもの生活の変化も心配ですし、せっかくのマイホームを売却や賃貸するのも、決断するのは容易ではないでしょう。
では、Sさんが単身赴任を断って、自宅に戻って生活をするとします。
Sさんは職種を変更しなければいけない可能性があります。
今までと同じような収入を得ることは可能でしょうか。
住宅購入時、奥さんは専業主婦で収入がありませんでしたので、団体信用生命保険への加入もありません。
ローンはそのまま残ります。
国からの遺族年金も下のお子さんが18歳になるまでは支給されますが、Sさんの遺族年金より金額は少ないと思われます。
更に、今まで奥さんが専業主婦で、一家の家計をやり繰りしてくれていたものを、慣れないSさんが同じようにできるでしょうか。家計の支出が増えてしまうかもしれませんね。
今奥さんの収入が少ないからといって、奥さんの死亡保障は不要だと考えますか?
「誰に、どんな保険をかけるか」も、人によって違います。
一般的な話でなく、「我が家はどうか」が大切なのです。
安心は「うちの場合」から生まれるのです。